【社会人の必修科目】デザイン思考が、なぜ必要なのか?
最終更新日:2020年11月19日
家電が好きな「ゴルトン社長」です。(twitter : @GoRuton_1stStep)
皆さん、家電を買う時や使う時に、
日本の家電はボタンが多くて使いづらい
って思ったことありませんか?
実は、日本のメーカーが過去の成功体験から抜け出せていない事から来ているのです。
そして、それを抜け出して「現代で成功する商品・サービス」を作るには「デザイン思考」が必須なのです。
デザインは、俺には関係ないわ!
って思った方もいらっしゃると思います。
もちろん、「ビジュアル」デザインとしては、本業のデザイナーに任せておけば良いでしょう。
ですが、本来「デザイン」は設計と言う意味で、
「順序立てたプロセスに沿って何かを製作する」というのが原点にあります。
引用:ゲルニカ ピカソ
例えば、ピカソの有名な作品「ゲルニカ」の不可解なビジュアルも、あるプロセスにそって設計されています。
「物やサービスを作る現代のプロセス = デザイン思考」は、社会人なら知っておく必要があるのです。
今日は、社会人なら必ず知っておきたい「デザイン思考」に関して、ご紹介していきます。
- 0. この記事のポイント
- 1.デザイン思考とは?
- 2. 過去の日本、現代の日本
- 3.なぜ日本の物は使いづらいのか?
- 4.なんで「デザイン思考」が良いのか?
- 5. デザイン思考で足りないところ
- 最後に!!
0. この記事のポイント
○Apple、Google、Uberなど近年急成長した企業は、デザイン思考によって魅力的な商品を生み出している
○過去と現代では、ユーザーが商品に求めるハードルが異なる
○現代のユーザーは、能動的に情報を調べて商品を吟味する
○ユーザーの気持ちを徹底的に考え、プロトタイプを作り何度も何度も検証する事が大切
○デザイン思考は、完璧ではない。ビジョンやUXは、個人や企業の意志によって生まれる
1.デザイン思考とは?
デザイン思考(英: Design Thinking)
デザインに必要な思考方法と手法を利用して、ビジネス上の問題を解決するための考え方です。
引用:goodpatch
デザイン思考は、現代の複雑化した課題をスッキリと解決するために「必須の考え方」なのです。
具体的には、この4つの考えを持ちつつ
● チームでの話し合いを重要視すること
● まずプロトタイプを作って検証すること
● アイデアの発散と集約をすること
この5つの手法を繰り返し実施します。
● 問題・課題の発見
● アイデアと仮説の決定
● プロトタイプの作成
● 実験・検証
「なぜこの4つの考えと5つの手法が重要なのか?」を説明するために、過去と現代の違いを見てみましょう!
2. 過去の日本、現代の日本
過去の日本
日本の戦後は、携帯電話やパソコンはもちろん、家電もあまり普及していません。
そのため、新しい・安い家電が出るだけでユーザーにとっては心躍る事で、使いにくさなどは関係ありませんでした。
無かったものが、買えるだけで喜ばしい事だからです。
そして、高度経済成長期で勢い付いた企業は、物や家電などの機械をドンドン作って発展していきました。
家電が普及した後は、新商品の魅力として、
- 新しい機能
- 便利機能
- タイマー機能
- 節約機能
- 細かい設定機能
など新しい機能をドンドン導入して、CMや広告で宣伝していました。
その新しさを売りする情報をユーザーは受動的に受け取って、その中で商品を選んで購入していました。
現代の日本
しかし、現代では状況が全く違います。
まず、生活で必要な家電や物は普及しています。
エアコンは昔では立派で高価な家電でしたが、現代では生活必需品とすら言われます。
家電があることが当たり前になっています。
もちろん、魅力的な機能があることも当たり前です。
● 綺麗なテレビをみたい
● 服を綺麗にしたい
● 料理を自動化したい
● 楽に旅行に行きたい
このような一般的なニーズは、当たり前に満たされるようになりました。
過去と現代の違いは何?
過去は数社しかない中で物を選んでいましたが、現代では大量に選択肢があります。
現代の私たちは、大量にある選択肢の中で欲しい選択肢だけ「スマホで吟味して」選んで購入するようになりました。
テレビから受動的に情報を得るのではなく、「みんな」が「スマホで能動的に情報を収集するようになったのです。
そして、過去と違って現代は「機能がどの製品も機能がほとんど同じ」なので「少しでも使いにくい、わかりにくい、機能が劣っている」とわかったら、その商品は見向きもされません。
その時々のニーズにそって、商品・サービスを丁寧に作る必要があるのです。
補足:テレビは過去の産物
若い人はテレビをほとんどみません。
テレビを持っていない人もいます。
ある程度歳を重ねた人には、アリエナイ感覚かもしれません。
しかし、事実として「テレビを見ない・持たない人」は増えています。
テレビは、ユーザーに情報を受け取らせるには「最高のデバイス」でしたが、今では「過去の産物」になってしまいました。
現代の人はテレビの情報を鵜呑みにするのではなく、スマホで情報を吟味して比較するのが当たり前になっているのです。
3.なぜ日本の物は使いづらいのか?
社会人の皆さんに質問です。
皆さんが勤めている商品・サービスは、どれくらいのペースで新商品が作られているでしょうか?
だいたいは「数年ペース」で作られていると思います。
昔は「数年ペース」の速度で良かったと思います。
しかし、現代では数年で世の中はあっという間に変わってしまいます。
10年前はスマホが普及していませんでした。
数年前は、Youtuber、仮想通貨、アマゾン、Googleなど知られていませんでした。
数ヶ月前は、コロナがここまで影響を与えるなんて誰も予想していませんでした。
時の流れはとても早く、時代の流れによってユーザーの趣味嗜好もすぐ移り変わっていきます。
このペースに合わせられていないのが、現代の日本企業です。
開発速度を早める事には取り組んでいますが、過去のやり方で成功しているため抜本的には開発プロセスを変えられないのです。
変わるには「現代は過去の方法では通用しないことを知って、原因を追求してどうすればいいか考えて行動する」ことが効果的です。
その効果的な手法の1つとして考えられるのが「デザイン思考」です。
デザイン思考を取り入れていて、成功した企業は、
- Apple
- Amazon
- Uber
最近だと「Peloton」などもありますね。
もちろんデザイン思考だけで成功したわけではないです。
しかし、「デザイン思考」によって急成長した企業はたくさんあるので、現代を生きる社会人は「デザイン思考」を知っておいて損はありません。
というより、知らないと大損です。
4.なんで「デザイン思考」が良いのか?
一言で言うと「ユーザーのニーズが現代では複雑化しているので、それを捉えるプロセスが必要であり、デザイン思考は成功実績の多いプロセスだから」です。
昔なら
- 部屋の温度を涼しくして欲しい
- 洗濯を楽にして欲しい
- 綺麗な映像が流れるテレビが欲しい
- 音楽がどこでも聞きたい
など、誰もが望むこと・思いつくような事に対して、そのニーズを満たしてあげれば良かったです。
ある程度の商品を作れば、ある程度売れていました。
現代社会では、ユーザーのニーズをユーザー自体がわかっていません。
例えば、Facebookやソシャゲなど今では当たり前のサービスです。
しかし、最初にユーザーのニーズを捉えて、これら思いつくのは中々難しいです。
ニーズの想定が難しいにも関わらず、ユーザーを勝手に想定して物を作ると、ユーザーが求めていない物を作る可能性が高いです。
また、業界の最新の常識を抑えておかないと、これもまたユーザーが求めていない物を作ってしまいます。
一時期「2段階認証」で話題になった、セブンペイなどが良い例ですね。
なので、ユーザーのニーズをしっかりと抑えるために
「ユーザー視点を常に持つこと」
が大切なのです。
その上で、自分の考えが良いか悪いかを考え判断するために、
「チームでの話し合いを重要視すること」
が大切になってきます。
チームと話し合うことで新しいアイデアが生まれてきたり、気づきがあったりします。
1人で考える限界を知ることが重要です。
そして、考えるだけではダメなのです。
考えてうまくいきそうでも、実際に作ってみたら全然ダメって商品は多いです。
なので、まずプロトタイプを作って検証することで、
実際に作ってみたら、考えてたのと違った!
というギャップをなくす必要があるのです。
そのギャップをなくするために、今まで考えてきたアイデアにとらわれてはいけません。
「アイデアの発散と集約をすること」
つまり、今までのアイデアの制約条件を取り払って、たくさんアイデアを出して「次のアイデアを生み出す」必要があります。
アイデアを出す際には、「ユーザーを観察・共感」する事が重要です。
デザイン思考の本の原文を日本語訳すると「共感」になるので、一般的に「共感」しなさいと言われていますが、ピンと来ませんよね。
私は、共感ではなく「ユーザーに憑依する」と意訳しています。
それぐらい、真剣にユーザーになり切る必要があるという事です。
商品やサービスを作る上では、ユーザーに憑依して
- 何を考えているのか?
- どう感じているのか?
を考えていく必要があります。
これがしっかりできていると、「新たな問題・課題の発見」することができるでしょう。
問題・課題が発見できれば、様々なアイデアが出てきます。
その時に、絶対重要なのが「仮説」です。
なぜそのアイデアが良いのか、仮説を立てないといけません。
例えば「〇〇という機能を入れるとユーザーが使いやすいと感じる」と仮説を立てます。
実際にプロトタイプを作った時に、本当にそうなのか検証しやすくなります。
仮説を立てずに物事を考えると「本当にやる必要があるのか」が分からなくなり、無駄な作業や無駄な機能が増えてしまいます。
「アイデアと仮説の決定」が終わったら、それを検証するような「プロトタイプの作成」 を改めて行います。
そして、先ほどの仮説をもとに「実験・検証」を行います。
もし仮説が間違っていたなら、それは新しい発見です。
その間違い・発見を踏まえて、新たな仮説を立てれば良いです。
本当に仮説が正しければ、そのまま仮説を利用すれば良いでしょう。
作成したプロトタイプが「納得できる商品・サービス」であれば、これにて完成です。
もし、プロトタイプがまだまだの出来栄えであれば、「ユーザーを観察・共感」のステップに戻って、何度もアイデアを出して検証する必要があります。
日本で「この商品開発のプロセス」「繰り返し何度も検証するプロセス」を取り入れてる会社は少ないと思います。
皆さんの会社はどうですか?
物を作ってから検証して大きく変更する事ってありますか?
具体例:「デザイン思考」で生まれたUberのアプリ機能
Uberは、スマホのアプリを使って「タクシーを配車する」サービスです。
Uberを使ったユーザーは、タクシードライバーの対応や道のりまでの案内などを踏まえて、ドライバーを評価することができます。
逆に、タクシードライバーがユーザーを評価する仕組みも導入しています。
これにより、ドライバーもユーザーもあまり変なことができません。
低評価をつけられてしまうと、変な人ばっかりに当たったり、最悪サービスを利用できないなんてこともあります。
これは考えれば、なんとなく思いつきそうですよね。
このレベルなら「デザイン思考はいらない」と思います。
しかし、Uberのすごいところは、
ユーザーの「送信ボタン」の”近く”に「ドライバーへのチップのボタン」も置いてあるところです。
これにより、ドライバーから変な評価をつけられたくないため、ユーザーはチップを多少送ります。
ドライバーはチップをもらえるので嬉しいです。
そして、そのチップの数十%はUberの利益になるのです。
これは、プロトタイプを何回も作って考えないと出てこない発想です。
このボタン一つで「ドライバーとユーザーが安心して使える環境 + 会社の利益」を作り出しているのです。
この仕組みは「UberEats」にも、導入されることになりました。
5. デザイン思考で足りないところ
ただし、デザイン思考は、完璧な物ではありません。
デザイン思考は「ユーザーの理解度を高めて、ユーザーの複雑なニーズを捉える商品・サービスを作るためのプロセス」でしかありません。
デザイン思考を極めても「ビジョンやUX (ユーザーエクスペリエンス(体験))」を思いつくわけではありません。
iPhoneのような直感的にわかるUI(ユーザーインターフェース)は作り出せるかもしれませんが、そもそもの商品の魅力が思いつくわけではないです。
ビジョン・UXなどは「個人や企業がどのような意志(Will, Vision)を持って商品やサービスを作るか」に依存するので、簡単に見つかる物ではありません。
自分たちのやりたい目標・目的を掲げることが、できることの第一歩です。
最後に!!
最後までご覧いただき、本当にありがとうございます!!
最近は、たくさんの読者さんから「コメント」や「メッセージ」が届くようになりました!!
皆さんと会話できて嬉しいですし、コメントで毎日励まされています。
ありがとうございます!
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